韓流の最期


韓流“終焉”!? 韓国映画界、上映作の9割が赤字
7月29日 夕刊フジ

本国ではどん底の不況状態にある“韓流”を1人で支えるヨン様こと、ぺ・ヨンジュン

 韓国映画が底なしの不況に陥っている。上映作の9割が赤字という惨状で、「韓流ブーム」を巻き起こしたかつての面影はない。逆に日本ドラマや日本原作の作品が韓国を席巻し、「日流ブーム」を生んでいる。輸出も「ヨン様頼り」との嘆きが聞こえる。ヨン様を除いて韓流は終焉してしまったのか。

 「家族の皆さま、こんにちは、ぺ・ヨンジュンです」。NHK放映の「太王四神記」イベントで6月に大阪を訪れたヨン様が日本語であいさつすると、会場を埋めた3万5000人のおばさまらから一斉にため息が漏れた。日本のファンの前に公に出るのは2年9カ月ぶり。関西空港には3000人が詰めかけた。

 ヨン様フィーバーに沸く日本をよそにおひざ元の韓国では「韓流はなぜダメになったのか」と議論されている。特に深刻なのが1999年の「シュリ」のヒット以来、韓流を引っ張ってきた映画業界だ。

 大手映画館の集計によると、観客数は昨年、11年ぶりに減少に転じ、前年より920万人少ない1億6600万人に減った。多いようだが、韓国映画に限れば2700万人の激減だ。輸出額も2005年の3分の1の2400万ドル(約25億円)に落ちた。公開された112本中、99本が赤字という低迷ぶりだ。

 反対に注目が高まっているのが日本映画。特にアニメは人気で「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」は映画館の数が16カ所に限られていたにもかかわらず、9日間で5万人を突破した。

 日本映画はまだ上映場所が限定されているが、“隠れ日本作”といえるのが日本の小説や漫画を原作にした映画。観客660万人を動員した「カンナさん大成功です!」や「黒い家」など日本原作映画が次々ヒットした。地元紙は「日本の作品は奇抜な創造力でファンの心をつかむ。韓国映画界はコンテンツの貧弱さを解消するため日本作品を利用している」と評した。

 ドラマでいえば、徹夜で日本ドラマを見る「日ドペイン」(マニア)という言葉まで登場。逆に韓流に関しては「ヨン様1人に頼ったブームで、バブルは弾けた」との見方が出ている。

 映画不況の原因は何か。業界では、自国映画の上映を義務付ける保護策が米国の反対で縮小されたことを主因に挙げる。だが、それ以上に市場を圧迫しているのが盗撮映像が広く出回っていることだ。

 韓流に詳しいライターの児玉愛子さんは「映像が粗い盗撮らしき映像が公開中にネットで出回っている」と指摘する。若者を中心に映像をタダでダウンロードしてしまい、映画館に足を運ばなくなっているのだ。韓国映画振興委員会は不法ダウンロードや海賊版DVDによる損失は映画産業全体の3分の2に匹敵する9000億ウォン(約1000億円)に上ると推算する。

 児玉さんは「1週間で200万人を動員するヒット作もあり、面白ければ映画館で見るもの。制作費の半分を主演に払うようなスターありきで、ありきたりのストーリー作品が少なくない。粗製乱造で面白い作品が減っていることが低迷の最大の原因」と語る。


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URL:http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/south_korean_movies/?1217323841